印象に残った記事と切り抜き

三つ挙げようとしましたが、一つだけ。

 先進的な会社では、個人個人や、部署ごと、あるいはプロジェクトごとに損益計算書を管理しているケースがあります。私のところのグループでも、プロジェクトごとに損益計算は当然のことながらしています。

 …中略…

 その商売を、ひとつひとつ皆、持ち場を持って、会社全体で黒字にしていこうというのが基本的なビジネスの考え方であり、ビジネスマンを志そうという人は、やはり目の前の仕事の損得勘定やコスト意識というものを強く持って、なるだけ自分が関わった案件が無理なく黒字である状態をキープしていかなければならない。

サラリーマンとビジネスマンの違い(雑感): やまもといちろうBLOG(ブログ)

「財務三表の読み方」訓練をすっぽかしていたのを思い出しました…

 また、いろんな部門が個別に最適を求めていったとき、会社としてのまとまりを持たせるための管理部門などのコストセンターをどうするのか、どういう風に各部門にそのコストを乗せるのかという話になります。また、厳密に会計を積み上げた経験が乏しいと、工数管理が面倒だとか、管理に追われて本来の仕事ができないといったクレームが湧き上がることもまた多いんです。

 でも、本来の商いというのは、本業で重要な部分はもちろんあるけど、それ以上に雑用があって、それをこなすための工数や費用を考えてなお黒字であることを目指すものでありまして、実際のところ商いでクリティカルな部分よりも雑用をいかに効率的に捌くかというのもまたマネージメントの必要な機能なんだろうと思います。教室の掃除当番的な、後ろ向きで直接カネにはならないことでもしっかりこなしていく手配が必要になってくるわけです。

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仕事のコアだけ学んで進もうとなりがちですが、コア以外のコンテキストを知り処理できなければ、運営する側にはなれないですね。

 で、こういう効率よいマネージメントを自然と出来る人ってのが一定の割合で存在していまして、そういう人がビジネスマンの素質がある人と認識することが多いです。複数の事業の状態を横に並べてチェックして、儲かってるかトラブってるか、関わってる社員の残業の状態から取引先の顔色まで、複眼的に見ているのに定時で帰宅してしまうマネージャーがいたりするわけですね。

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 普通にIT業界で暮らしていて、そこそこイケてる会社を馬鹿みたいに高い値段で買うことがあるじゃないですか。ああいうのの大半は、会社そのものにもちろん価値はあるけど、それ以上にイケてる会社の経営陣や幹部が欲しい、ということで、プレミアムというか上積みをするケースが多いわけでね。実績を出したチームごと引き抜くというのも、同じように仕事を任せて成功させられる人材は本当に希少だ、という部分があるわけです。

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この視点は以前にどこかで。「特定の人材を求めた買収」。

 そこからさらに、経営的な視点を持てる人ってことになると、これは本人の努力だけでなく、様々な巡り合わせがないとなかなかそのポジションに至らないし、独立しても売上は低空飛行だろうし、結構な狭き門なんだろうと。会社が3年で大半潰れるというのも、向こう半年は見えてるけどじゃあ来年どうなってるか、三年後はどうか、という話になるとなかなか思い至らない、というのが背景にあると思うんです。

…中略…

…少なくとも自分の周囲にはケセラセラであんまり先のことを考えず、瞬発力のある思考をその場その場で繰り返しているうちに大きくなっちゃった、っていう能力と幸運を持ち合わせた人のほうが多いような気がします。…

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サラリーマン、マネージャー、経営者。最後の方の成功は、より運だったり天賦なところに近くなるような…

…私自身、経営方針として社員や事業のマネージャーに売り上げ目標というものは立てさせません。むしろ、所定の予算なり人員なりの中で、どれだけうまく仕事に取り組めたのか、納期第一として、品質はどこまで積み上げられたか、次に繋がる資産はなんだったか、反省材料は何で、次回に生かすとしたらどの辺か、といった部分をとても重視しています。

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肝に銘じなければ。

 いろいろと仕事や子会社を任せていて思ったのは、サラリーマンの人たちに目標を押し付けてこなさせるというマネジメントは、短期的には成果が出やすいし方法論として楽なんだろうけれども、競争の源泉となる創意工夫が後回しになるんだなあということです。目標達成へのモチベーションが年を追うごとに磨耗していき、結果として疲弊した組織で新しいことに何一つ取り組めず、前からの方法論を踏襲するだけの会社になってしまって、肝心の商いが回らなくなっていくんだなあと感じたからですね。

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これも印象に残りました。よりコンテキストな事業や業務またはうまく回っていないところは、こういう形になっているんだろうなあ。

 逆に、うまく行かなかった投資先や関係先の特徴というのははっきりしていて、同じような価値観で似たような能力を持っている人が集まって、会社として意欲的に取り組んでいこうというケースであります。RPGでいうと、戦士だけでパーティーを組んで、みんな経験値がありレベルが高いから大丈夫だろう的な発想でありますね。結構、そういう事例はゴロゴロしています。

 必然的に、バックアップに回るわけですけれども、バックアップを経験したことのない人たちからすると、それがどういう機能を果たしていて、どれだけ会社を回すのに必要なのかがなかなか見えにくいんですね。でも、誰かがやらなければならない。

 良く大企業などで、創業の経緯や事業構造で利益の出し方が偏るなどして、組織の中で士農工商が出来上がる場合があります。商いを進める上では、機能的に必要なものは一通り社内でもっておかねばならないのに、入社年次がどうだとか、どこそこ事業部出身だからとか、そういう理由で特定の部門がパワフルになって他の部門のモチベーションが下がってしまって商売に悪影響が及ぼされるとか。

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即座にITのスタートアップという単語が浮かびました。どうなのでしょう。
ここがいちばん意外な印象でした。